加工事例
大径アルミ部品の高精度大物加工
加工のポイント
本製品は直径430mmの円形アルミ加工品となり、外形の大きさと複雑な形状から、高精度かつ安定した加工技術が求められるワークです。
大径のワークであるため、段取り時の芯出しやクランプ精度が重要になります。真円度・平行度・同心度を確保するために専用治具による均一な固定を行っています。
本製品には中央を含む5か所の矩形ポケットが加工されており、ポケット内外には多数の小径穴があけられており、貫通穴と止まり穴が混在しています。これらの穴加工では、位置精度はもちろん、深さ精度や面粗度も重視されることから、下穴加工やねじ加工など、複数の工程を組み合わせる必要があります。
仕上げの穴加工は、研磨で並行、平面、板厚精度を出した後に行うことで高い精度を出しています。
また、四角のパネル部分の平面度に100分台の高い精度が要求され、平面研磨で仕上げを行っています。
素材がアルミであることから、加工中の変形(反り、ねじれ)対策も重要です。特にこのような薄くて大きいワークでは、加工順序を工夫し、荒加工→研磨→仕上げ加工の3工程に分けて段階的に加工することで、変形や歪みのリスクを低減しています。
アルミは切削性が高い反面、工具への溶着が起きやすいため、工具や切削液の選定、切削条件の最適化によって、溶着リスクを抑えています。