加工事例
内径に段差を施したアルミ旋盤加工品
加工のポイント
本製品は、内径・外径ともに大きな円形構造を持つアルミ製の切削加工品です。
製品の内部構造をご覧いただくため、完成状態のものを半分にカットしています。
外径は200mmあり、内径も広く、段差を持った精密な中空形状が特徴的な製品です。
大物のリング状部品であるため、真円度や内外径の同心度の確保が加工上の最重要課題となります。これらを実現するために、NC旋盤による高精度な内外径加工を行い、鏡面に近い精度の切削を施しています。
内径側には複数の段差と溝が存在し、それぞれの位置と深さを均一に保ち、工具長の自動補正や段階切削を適切に行っています。この段差構造は部品の嵌合部として設計されており、加工精度はミクロン単位での管理が求められます。
アルミは加工性に優れる反面、切削熱による寸法変動が起きやすいため、荒加工→中仕上げ→仕上げという3段階の加工工程を取っています。
仕上げには低送りの精密切削条件が適用されており、バリのない美しい外観を実現しています。
本製品は大型でありながら高精度な旋削加工を必要とする複雑形状部品であり、高精度チャッキング技術、工程設計、工具選定、熱変形対策のすべてにおいて高度なノウハウが活かされた加工事例となります。